2024年6月9日 静岡県沼津市で開催された「声優朗読劇フォアレーゼン」に参加した。
本公演はまさにラクーンドッグフェスで、岡本信彦社長を筆頭に、堀江瞬さん、堀金蒼平さん、大桃陽介さんの四人がかけ合うという、事務所ヲタとしては絶対に見逃せないビッグイベント!
特に大桃さんは今回が初イベント登壇(※舞台経験はアリ)だったため、歴史的瞬間に居合わせたい一心で駆けつけた。
公演から一週間ほど経った今、本当に行ってよかったな...という多幸感と満足感に包まれている。
本稿ではそんな素晴らしいイベントについて、主観を交えながらレポートする。
静岡沼津公演ご来場ありがとうございました🐾#岡本信彦,#堀江瞬,#堀金蒼平,#大桃陽介
— 声優朗読劇フォアレーゼン公式 (@vorlesen0217) 2024年6月9日
イタリアを舞台にした騒動劇いかがでしたか❓
静岡トークも色んなお話がきけましたね🤭
次回は兵庫公演お楽しみに✨#速水奨,#山口智広,#戸谷菊之介,#直田姫奈https://t.co/W6lYVFSK8k#フォアレーゼン pic.twitter.com/AFbSCvF0f0
本編
沼津市民文化センター 大ホールにブザーが鳴り響いた。
いよいよ開演...と、感動の瞬間を前に思わず生唾を飲むと、まだ明かりのないステージに整列する人影が現れた。
事前に設置されていた椅子に腰掛けた4名にふっと照明があたり、下手から堀金さん、堀江さん、岡本さん、大桃さんが黒い衣装に身を纏って台本を持つ姿が浮かび上がる。
だめだ、泣く……泣くわ、これ。
開始10秒でクソデカ感情を爆発させた私は、物語が何も展開していないのにその日イチの感動で涙をこぼしやがったのだった。
岡本さんが守ろうとしたもの
ここで唐突に過去の話をするが、堀金さんと大桃さんは、岡本さんが約3年前に自身のプロダクションへ受け入れようとした養成所生/新人声優のうちの2人だと考えられる。
プロ・フィットが最初に公開した報告で、岡本さんがとてつもなく大きな責任を背負ったことを知った2021年11月……。
最終的にマネージャー陣と共同する形になったものの、社長になる日が来るなんて...そんな世界線だったなんて...と当時は衝撃だった。
事務所を持つ声優は少なくないが、岡本さんの場合はスタートから多数の売れっ子や養成所生を受け入れている点において、特に珍しいケースだと思う。
そんな0から100になったような状況を経て、プロ・フィットのプロ・フィットたる魂を受け継ぎ、今日このスポットライトの下まで新人を守り抜いたのだと思うと...。
同時に、新人はラクーンドッグを信じ、ここまで研鑽してきたのだと思うと...。
そんな走馬灯のような感情を勝手に爆発させたキモヲタの目から、汁が溢れてしまったのだった。
確かな実力
涙を拭いつつ、本編を味わった。
本作はイタリアを舞台にしたドタバタ劇で、歌手のアントニオ(岡本信彦さん)とピアニストのウリ(堀江瞬さん)のバディものだ。
堀金さんは男爵 役などで、大桃さんはナレーション などで物語を彩った。
バディのかけ合いが印象を大きく左右するような台本だったが、岡本さんのド早口に合わせて堀江さんが華麗にツッコミを打ち返しており、まるで卓球のようなテンポに仕上がっていた(本編が1時間足らずで終わっていたのはそのため?)。
堀江さんのあのような低めの声のキャラは個人的に新鮮で、守備範囲の広さに驚いた。
特筆すべきはあの二人だ。
まず、堀金さんの表現の幅の広さと安定感!
男爵 役は髭の生えたおじさん?wという設定らしいが、おじさんもイケちゃうの!?バディを上回るような立ち位置として、その強面感や圧力、またある時の変態さを声で120%表現しており、かなり衝撃を受けた。
本編中は比較的頻繁に水を補給しており、冒頭では少し手が震えているように見えたりして、緊張しているような様子だった。
しかし、ピアノ伴奏に合わせて微かに揺れていたことや、前述した堂々たる演技からは、新人とは思えない落ち着きが感じられた。
そして大桃さん!
バディのハイテンポなかけあいに引っ張られることのない、劇のバランスを保つあのナレーション!
物語上の句読点といってもいいくらいの重要なポジションを満点でキメたあの確かさ...ナレーションでこんなに感動したの初めてだ。
ボイコミラボ初登場時から今まで、着実に安定感を増している大桃さんに感動せざるを得なかった。
と、キャストの演技に唸っているうちに本編が終了した。
トークパート
後半はキャストみんなでトーク。
このメンツの会話が聞けるなんて貴重すぎて...
デミソースとキャンプファイヤーと
前日に前乗りしていたそうで、その話題に。
晩御飯はみんなでさわやかのハンバーグを食べたとのことだったが、なぜか大桃さんだけがデミグラスソースで、他の人たちはオニオンソース&塩胡椒を選んだらしい。(オニオンソース&塩胡椒は、さわやか大好きな山下大輝さんの助言)
どうやら大桃さんはオニオンソースをシェアしてもらえると思っていたらしく……?w少し切ない事実が明らかになった。
まあ、とにかく美味しい晩御飯を堪能した四人が横並びでホテルまでの道を歩いていると、堀江さんが川(狩野川のこと?)を見に行きたくて一人だけ数歩先を進みはじめたそうだ。
しかし、すぐに振り返って「でも戻って来れなくなるかもしれませんね...(集合時間までに)」みたいなことを意図せずホラー調に言ったらしく、それを再現する岡本さん含めてウケた。
結局、堀江さんは集合後に一人で歩いて沼津港に行ったとのこと。
海岸で多くの外国人がキャンプファイヤーをしているのを見て帰ったらしい。
沼津港自体はそこまで印象に残らなかったようだw
堀金さんはラブライブ!ファン
沼津は「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地なので、トーク中に当然その話題が持ち上がった。
作品はいつ放送されたものなのか、という疑問が浮かび上がると、なんと堀金さんがサッと「8年前?」と口にした(アニメは2016年7月放送開始なのでバッチリ正解!)。
その後の会話で、堀金さんが同作品のファンであり、沼津に訪れるのは2度目だったことが発覚した。
岡本さんは、普通は年数なんて分からないはずなのに、堀金さんが即答していたことが薄々気になっていたそうだ。
感想戦
前半の朗読パートの振り返りでは、それぞれが演じる際に気を付けていたことや感じていたことなどが詳細に語られた。
堀金さんは男爵を演じる中でリップ音を出すシーンが2か所あったが、実は1発目が不発だったらしい...!
キャストはみんな気付いていたようだが、個人的には妙に生々しさを感じた音だったので、不発なのか、わざと出したものなのかどちらだろう……と思っていた。
ちなみに、2発目はバッチリだった。
また、大桃さんは、比較的ゆったりしたナレーションによって作品のリズムを崩してしまわないか心配だったそうだ(メインがハイテンポなばかりに)。
いやいや、むしろそれが良かったんだよ。
リハーサルでは必ずどこかでセリフを噛んでしまっていたそうだが、本番ではパーフェクトだった。
本番に強い男!
おおものくん
今回のイベントで、大桃さんのポテンシャルがいかに高いかを知ることができた。
岡本さんが言う通り、「大物くん」だと思う。
彼は今に大人気になるだろう。予言する。
ボイコミラボでも堂々としていたが、実際の大桃さんから感じるオーラはたまらなかった!
静岡の印象を聞かれて「自然が素晴らしい」と答える大桃さんのクソデカ主語っぷりは素晴らしかった。
堀江さんから、自然に触れていないことを突っ込まれていて、なおのこと面白かった。
そして、この記事で絶対に書きたかったのは退場時の大桃さん!
通常、イベントの退場といえば、キャストが客席に向かって手を振ったりお辞儀をしたりするイメージだ。
しかし、客席からの拍手の中、下手へはけていく堀金さん、堀江さん、岡本さんがそのようにしているなかで、最後尾を歩く大桃さんが......え......前しか見てない...というか...前を歩く岡本さんを見ているわけでもない......この男...虚空を見ている...虚空に向かって真顔で会釈しながら歩いている......!?wwww
いらすとやでそのシュールさを再現しようと思ったが、ニュアンスが表現できなかった。
初イベントらしさが出ていて、大変良かった。
その他
・堀金さんは大桃さんより芸歴が下らしい(1つ下?養成所卒が1期違いということか?)
・堀金さんが「今後一緒に共演できる機会があるかどうか」と言ってたけどある!!!!!!絶対!!!!!ある!!!!!あれよ!!!!!!
総括
朗読パートではラクーンドッグの確かな実力を感じ、トークパートでは先輩後輩の良い関係を感じ取ることができてとても良かった。
この現場に立ち会えたことが、本当に嬉しい。
堀金さんも大桃さんも、ネクストブレイク間違いなしだ。
二人とも確固たる演技力のベースの上に個性があり、今後さまざまなシーンでの活躍に大いに期待できる。
というか、堀金さんは既に朗読劇代打など2本のイベントを経験しているほか、話題のゲーム「18TRIP」で畔川幾成 役として注目を集めている。また、鬼滅の刃をはじめとした多くのアニメに多数クレジットされている。
大桃さんは今秋放送のアニメ「最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える」にてコウガ・ツキシマ役でめでたくメインを勝ち取っている。
つまり、二人は既に活躍の幅を見せている。
ラクーンドッグ始動当初の目標?だった若手男性声優の活躍は、この二人を含めて全体的に成功を目前としているようだ。よかった。
余談
大桃さんはプロ・フィット養成所33期卒だそうだ(ボイコミ情報)。
岡本さんが3期卒なので、なんと30期差=15年差ということになる。
いよいよ岡本さんの「3期卒」に貫禄出てきたな...。
ちなみに、ともに19歳デビューという共通点がある。
正直、菱川花菜さんの現役高校生プリキュアとかで感覚がバグっているが、10代のうちにデビューするというのはすごいことだ。
これからもラクーンドッグと所属タレントに幸多からんことを。